基礎教育科目
人間関係とコミュニケーションⅠ |
福祉サービスを必要としている人への支援は、人間関係の形成が基盤となる。その形成に必要なコミュニケーションについて、基礎的な知識を修得する授業である。対人支援は、ご本人およびご家族、多職種が連携しチームで行うという理解が不可欠であることから、コミュニケーションの基礎に加え、チームマネジメントに関する知識も理解し、円滑な対人支援が行えるための能力を養う。具体的には、①福祉理念を理解したうえでの倫理観、権利擁護の視点、②人間関係形成に必要となる自己理解、他者理解を基盤にした心理学的支援、③対人関係におけるコミュニケーションの意義、④コミュニケーション技法に関する知識を学修する。 |
人間関係とコミュニケーションⅡ |
福祉サービスを必要としている人への支援は、人間関係の形成が基盤となる。その形成に必要なコミュニケーションについて、基礎的な知識を修得する授業である。対人支援は、ご本人およびご家族、多職種が連携しチームで行うという理解が不可欠であることから、コミュニケーションの基礎に加え、チームマネジメントに関する知識も理解し、円滑な対人支援が行えるための能力を養う。具体的には①組織内のコミュニケーションに関する知識、②介護サービスの特性とマネジメントの重要性、③介護サービスを行う組織とその運営管理、④チーム運営の基本、⑤人材育成と人材管理に関する知識を学修する。 |
人間の尊厳と自立 |
人間を理解するために「尊厳」と「自立」をキーワードにして考察する。まず、思想史を通してそれらの言葉がいかにして理解されてきたかを探究する。次に、具体的な問題に即して、多様な社会の中で人間の尊厳(人権)がいかにして守られるべきか、また、自立(自己決定)がなぜ優先されるべきかを、倫理思想史の観点から解明する。 |
倫理学 |
科学技術の発展に伴い、医療の現場においても様々な問題が生じており、そこから派生する医療人と患者との間に起きる倫理的問題の解決は避けて通れない。そこでまず、問題の歴史を辿り、解決の糸口を探り、さらには、生命とは何かについて広い視野から考察する。 |
文化人類学 |
「地球市民の基礎教養」といわれる文化人類学は、考現学の一種である。今・ここにあるモノやヒト、ことがらが文化化された事象を扱う学問である。その目的は異文化理解力を身に着け、他者を深く理解するとともに、自らの文化を客観的にとらえる訓練をすることである。具体的な事例を、聞き取り調査と参与観察による現地のフィールドワークで収集し、データ化するという特徴があるため、理論に関する学びの講義は少ない。文化人類学は多くの下位分類があるが、特に介護系のキャリアを目指す学生たちには是非一度は聞いてもらいたい医療・介護人類学を中心に講義する。 |
教育学 |
代表的な教育思想とその歴史的背景に焦点を当て、教育は人間が生きる上でどういう意味を持っているのか、また社会の中でどのような役割を果たしているのかという二つの点から考察する。教育の本質を人間の発達と学校教育のあり方(内容と方法)、教育を取り囲む社会、法制度との関連で明らかにする。新学習指導要領に伴う大きな変化をふまえて、題材は「教育の課程と方法」を中心に講義する。 |
文学 |
この授業では、日本の近現代の文学について、特に歴史・文化・社会との関わりから考えていく。文学は作家個人の表現であると同時に、その時代の社会や文化、様々な価値観のせめぎ合いの中から生まれてきた表現でもある。この授業ではそのように文学を、それを取り巻く歴史・文化・社会との関わりから考え、そのそれぞれについて理解を深めることを目指す。 |
北海道史 |
本講義では、北海道の近現代史を毎回別の歴史的事項を通して理解する。これまで学んできた通史としての歴史ではなく、曾祖父母、あるいは祖父母世代が経験したかもしれない風景に端を発し、その今に至るまでの経緯を学ぶ。受講する学生は興味を持った歴史的事項を自らのテーマとし、その課題に沿った情報の収集や、そのために教員が作成した副読冊子をガイドブックとして視察、見学などの自学自修に取り組む。 |
心理学と心理的支援 |
現代心理学の基本的な理論と考え方を概説し、具体的な人間理解とその基礎的技法について考察する。特に社会福祉領域において必要とされる基本的な理論と援助技法を学ぶ。具体的には「心理学の視点」「心の基本的な仕組みと機能」「日常生活と心の健康」「心理学の理論を基礎としたアセスメントと支援」を理解していく。 |
発達心理学 |
人の誕生から死までを発達と捉える生涯発達の観点から、人のこころとからだの発達を概説する。エリクソン、ピアジェなどの発達理論を概観し、各発達段階における特徴的な行動や発達課題について理解していく。 |
ボランティア活動 |
21世紀の地域共生社会の構築に向けた課題の一つは、ノーマライゼーションとソーシャルインクルージョンを理念とした地域福祉の推進である。この地域福祉の推進の主体は、地域住民、社会福祉を目的とする事業を経営する者、そしてボランティアやNPOなど社会福祉に関する活動を行う者である。そしてすぐれて地域福祉は住民参加を不可欠とする。このボランティア活動は今日の住民参加の一形態である。ついては、21世紀の私たちの暮らしを豊かに応援する地域福祉の推進に向けて、社会福祉の基本法である社会福祉法の趣旨に依拠しつつ、実践論的な視点からボランティア活動を検討し実際活動に結びつけられることをねらいとしている。SDGsの観点からも概説する。 |
法学入門 |
法は私たちの社会生活に深く関わっている。たとえば、大学生が、大学へ通学する際に公共交通機関を利用し(運送契約)、店で弁当を買い(売買契約)、大学の教室で講義を受ける(在学契約)だけでも複数の法律関係(ここでは契約関係)が存在している。もはや私たちは生活する上で法と無関係ではいられず、それゆえ、社会に生きる者として法を学ぶことが必要不可欠である。本授業では、法が社会生活の中で果たしている役割を考えた上で具体的な法律がいかなる局面で関わっているのかを学ぶ。その過程を通して受講生が条文の読み方や基本的な法律用語を理解すること、そして法的思考能力を修得することを目指す。 |
政治学入門 |
私たちは、「政治」から逃れることはできない。人間社会では、他者の存在があり、複数で生きる必要がある。そこでの「共存」のあり方や「秩序」を考えることを「政治学入門」では取り扱う。前半は政治学の基本的な概念を、後半は政治の仕組み(具体的には統治システムや選挙など)の基礎的な知識を学ぶ。 |
経済学入門 |
この授業では経済学の基本的な考え方を講義します。私たちの生活は日々経済と関係しています。学問としての経済学は私たちが毎日関わっている経済の仕組みをわかりやすく理解することを目指しています。社会の経済現象を理解したり、企業の経営を理解したりするためには、ある程度、経済学独自の考え方や用語について理解しておかなくてはなりません。この授業ではそのような経済を理解する上で最も基礎となる経済学の考え方や用語を学びます。序盤にマクロ経済学の基礎に触れ、その後でミクロ経済学の基礎を取り扱います。 |
経営学入門 |
経営学の入門科目として、一般的な経営理論を学び、医療介護経営に必要となる基本的なマネジメント概念の整理を行う。「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」等から構成される事業のゴーイング・コンサーン(存続・発展)に対する思考の整理ができるよう、代表的な経営事例を用いて、マネジメントの概要について理解する。 |
行政法 |
行政法は、行政と私人の間や行政と行政の間を規律する法である。ところで、上下水道、道路、学校、などなど、私たちは行政サービスに依存して生活している。また、鉄道やバスなど民間企業による公共的サービスも、料金決定その他について、行政が大きく介入して、提供されている。また、社会保障・社会福祉の制度も、行政自体によってか行政が大幅にかかわって運用されている。つまり、行政法は私たちの日常生活に深く関わる法なのである。したがって、私たちが生活していくうえでも、また主権者として行動するうえでも、行政法について十分な理解を有していることが重要となる。本授業では、行政法が私たちの生活や企業の活動においていかなる関わりを有しているかを具体的に明らかにしていく。その上で、その関わりで生じる法的問題に行政法がどのように対処しているかを、裁判例や学説を通して学ぶ。 |
マーケティング入門 |
医療福祉介護マネジメントの中でマネジメント分野の諸課題を理解する為、マーケティングの基本理論を中心に解説する。前半は、マーケティングの定義や諸概念、歴史的発展の経緯、戦略と管理の考え方、マーケティングミックスの4対応のうち、価格と製品への対応を解説する。後半はマーケティング・ミックスの流通、コミュニケーション対応や消費者行動、サービスや関係性マーケティングなどを解説する。最終的にはケーススタディを用いて、マーケティング事象を分析できる能力を高め、グループで討論し、成果の相互評価を実施して内容の理解を深める。 |
統計学 |
統計学は根拠に基づく医療(Evidence based medicine)を担う基盤科目である。データの集計・解析を通して、変数間の関連を整理し因果関係を推論する力は、保健医療福祉専門職にとって必須の資質となる。本講義は、1)調査、臨床、研究によって得られたデータを集計し要約する(記述統計学)、2)検定統計量を算出しそれをもとに関連を吟味する(推測統計学)、という統計学の主要概念を学ぶことを目的としている。代表値、平均・分散、標準偏差、信頼区間、有意水準などの指標に習熟し、仮説検定の判定手順についても理解する。統計調査の企画実施における倫理規定の遵守や個人情報の保護についての認識を深める。 |
情報科学 |
情報科学は根拠に基づく医療(EBM)を推進する上で基礎となる実践科目である。コンピュータに関するソフトウェア、ハードウェアを理解し、情報処理システムに精通することは、保健医療福祉専門職にとって必須の能力である。本講義は、1)インターネットサービスの利用、2)オンライン情報の検索、3)検索情報の収集と管理、といった広範な情報処理に習熟することに加え、4)セキュリティ保持とモラル遵守の姿勢を身につけることを目的としている。検索サイトやポータルサイトの特徴に応じて、必要な情報を収集し、電子カルテなどにより情報を提供・共有することは、院診連携をはかる上で有用である。現場で実際に活用できる情報処理能力を培うことは重要な課題である。 |
会計学入門 |
会計は社会を定量的に見る重要なツールである。この授業では会計がどのように社会に役に立ち、重要性を持つか学修する。入門となるためそれぞれの分野には深く踏み込まないが、全体像の把握と社会における役割という点を重視して授業を行う。 |
簿記入門 |
簿記は、帳簿に記入するためのルールを定めたものであり、「帳簿記入」という言葉からつくられた造語といわれている。会社などの組織は、その活動から生じるいろいろな事柄を整然と記録し、その利害関係者に経営成績や財政状態を明らかにしなければならないが、今日の複式簿記はこれら会計情報を作成する上の手段として欠くことができないものである。この授業では、簿記の基礎と位置づけ、簿記の仕組みと会計的思考の裏付けとなる考え方について学ぶ。 |
社会学と社会システム |
人は弱者戦略として群れを作る動物である。ただ群れるだけなら集団であるが、何らかのシンボルのもとに群れ、関係性や秩序が生まれるならそれは社会である。教科書がないと言われてきた社会学は挑戦的でおもしろい学問で、社会全体を丸ごとその考察の対象としている。講義形式の授業と学修シートを利用した学習成果の確認によって、広範囲で多様なこの学問の各事項を効果的に学んでいく。 |
家族社会学 |
家族は長い間、人々にとって最も身近で基礎的な集団として、私たちの生き方を強く規制してきたが、いま大きく揺れ動きその存在自体が問われるようになってきている。本講義では、変動しつつある家族の現状を理解するとともに、そのような変化をもたらしている要因について理解し、これからの家族のありについて展望し、考えていくものである。 |
生活科学 |
生活環境の在り方を科学的にとらえ、より良い環境をつくり出す基礎を学ぶ。衣食住の生活と健康を守る視点から、科学的に調査・分析する方法や考え方を学ぶことで、社会と生活に対する理解を深め、知識や実践を看護・介護技術の原則へとつなげられるようにする。 |
環境科学 |
人間の活動で影響を受けた自然環境の変化によって、新たな健康問題が引き起こされている。人間生活における自然環境の意義を理解し、環境破壊と健康障害について学び、これからの環境保全行動について考える。初めに近年の経済発展による環境問題を概観し、大気汚染と健康への影響、水質汚染と健康への影響、地球温暖化と健康への影響、酸性雨と健康への影響、放射能被ばくと健康への影響について学ぶ。さらに、将来の社会における環境保全と生物多様性について考える。 |
健康とスポーツ |
スポーツを通して身体を動かす楽しさを知る。また、高齢化が進む現代社会における様々な健康阻害要因について学び、青年期から健康に関心を持つことの重要性を理解する。さらに、身体能力の向上や疲労回復・ストレス発散を目的とした運動・スポーツについても理解を深め、運動・スポーツのあり方と実践的な指導方法および評価法についても学修する。文化・ツールとしてのスポーツについて理解し、社会の中でスポーツがどう役立っているかを学ぶ。 |
日本語表現 |
本科目の目的は、広く社会に通用する基本的な言語表現力を身につけることにある。コース前半では、「文書作成の技術」と題し、大学での学修に不可欠な文書作成技法について学ぶ。社会一般的なルールに加え、看護学領域における作法なども学修の視野に入れる。コース後半では、「日本語力を磨こう」と題し、場面に応じたわかりやすい日本語表現について学ぶ。なお本授業では、グループワークや相互チェックなど演習型の教室内活動を多く取り入れる。 |
英語Ⅰ(基礎) |
医療に関する様々なトピックを英文で読み、基礎的な読解力を高める。英文を正確に読むためのスキルを身に付け、論理的に要約し、伝達することを目的とする。社会、心理など様々な視点から問題をとらえ、色々な英文を読むことで、単語理解や語彙力の向上、読解力の養成を目指す。外国の社会や文化、外国人の価値観などを知る機会となり、異文化交流の動機づけとなり、今後の語学学修のモチベーションとなることを期待する。 |
英語Ⅱ(実践基礎) |
ロールプレイ、ペアワークなどで場面を想定した会話を中心に授業を行う。英語I で培った基礎的な文法や語彙の知識を生かしながら、発音を重視した会話によるコミュニケーションで実践的な英語力の向上を目指す。英語での会話を通して、自国の文化について考えると同時に、外国の文化への理解を深める。 |
英語Ⅲ(実践応用) |
保健医療福祉分野における英文文献を教材として、正確に、論理的かつ批判的に読解する能力を身に付け、内容を要約できることを目的とする。英語Ⅰ、Ⅱで培った基礎的能力を更に高め、英文文献抄読を主体的に学修し、内容を理解したうえで自分の考えを英文でも表現することを目的とする。 |
中国語 |
1.中国語の特徴を理解し、全体像をつかめるようにする。2.中国語の発音と文法の基礎を築く。3.簡単な受け答えをできるようにすることで、中国語によるコミュニケーション能力を養う。4.中国語学習を通じて、中華圏の文化・習慣を学び、中華圏についての知識を培う。 |
韓国語 |
本授業は韓国語の文字の仕組み、発音や文構造を学び、日常生活でよく使われる韓国語の基礎表現を身につけることを目的としている。また韓国語のコミュニケーション能力を向上させるため、映像資料・音声資料などの多様なコンテンツを活用し、韓国語はもちろん、韓国文化について理解する。 |
専門基礎教育科目
医療福祉とマネジメント |
少子高齢化と過疎化の進展による医療機関や福祉施設の患者・利用者数の減少に加え、ニーズの多様化や専門職人材の確保の難しさが年々進んでいる。さらに新たに出現した感染症の影響により、医療機関や福祉施設の経営・管理は困難な局面にさらされている。こうした困難な局面に柔軟に対応していくためには、医療や福祉の基礎知識に加え、医療機関や福祉施設の運営・管理に携わる専門多職種との連携、マネジメント能力が必要である。本科目では医療機関や福祉施設の専門職人材の理解と、運営・管理のあり方をふまえたマネジメントについて学修する。 |
社会福祉の原理と政策Ⅰ |
現代社会ではさまざまな社会変動が起き、それに連動して生活問題や福祉ニーズも多様化・複雑化・複層化が進んでいる。そのなかで、本授業は社会福祉の原理と政策について多角的に考察し、現代社会における福祉問題を解決するための基礎を築くことを目標とする。特に、原理、歴史、思想、理論、社会問題と社会構造、福祉政策の基本的な視点に焦点をあてて学ぶ。 |
社会福祉の原理と政策Ⅱ |
社会福祉の原理と政策Ⅰで学んだことをもとに、本講義では、福祉専門職として福祉問題を解決していくための体系的な理論と技術を身につけることを目標とする。現代にある社会的問題の解決に取り組むにあたっての基礎(社会福祉学的な想像力)を身につけることも目指す。特に、福祉政策におけるニーズと資源、福祉政策の動向と課題、福祉サービスの供給と利用過程を中心に学ぶ。 |
ソーシャルワークの原理 |
利用者と家族の支援であるケアマネジメントを中心にして、個別支援について学ぶ。次に、地域の支援であるコミュニティワークを中心とした地域課題について学ぶ。そして、個別支援をもとに地域支援の繋がり、逆に地域支援から個別支援の繋がりを学び、個別支援と地域支援が一体的になり、ソーシャルワークになることを学ぶ。 |
地域福祉と包括的支援体制Ⅰ |
社会福祉法の第11条において、「地域における社会福祉の推進」と記述され、それを受けて、第4条は地域福祉の推進について記述されているほど、今日社会福祉における地域福祉の概念は重要とされている。それに呼応するように、新たな地域福祉の推進事業が国から示されている。そこで、本講義では、地域福祉の歴史、考え方、理論について概説し、地域福祉を支える社会資源をそれぞれ紐解くことで、有機的な連携の方法と地域共生社会の実現に向けた地域包括ケアシステムをはじめとする包括的支援体制について、地域の各層ごとに構築する必要性を学ぶ。 |
地域福祉と包括的支援体制Ⅱ |
地域福祉を推進するために、福祉行財政の実施体制、福祉計画の意義・目的、包括的支援体制の考え方、多職種連携及び多機関協働、地域生活課題の変化と現状を踏まえる。そのうえで、包括的支援体制における社会福祉士などの役割を理解する。特に、社会福祉士などの作成参画が今後期待されている福祉計画に重点を置き、地域福祉計画と地域活動計画、医療との連携について理解を深める。 |
社会保障Ⅰ |
社会保障の歴史・理念・機能・構造・財源などの基盤を捉え、年金・医療保険・介護 保険・労働保険・社会保険・民間保険といった各制度の概要と現状を理解する。また、各国における社会保険の課題を踏まえた上で、わが国の今日的課題について講義する。社会保障Ⅰでは、主に今日的社会保障の動向、わが国と諸外国の社会保障の歴史、理念、概念、役割、社会保障の財源、及び公的保険と民間保険の関係について学ぶ。 |
社会保障Ⅱ |
社会保障Ⅰでの学びをもとに、主に年金、医療保険、介護保険、労働保険、社会保険、 民間保険の概要と児童福祉、障害者福祉、社会手当制度の概要、諸外国社会保障制度の 概要を学ぶことで、わが国の社会保障制度の現状と課題についても理解を深め、社会保 障制度の今後のあるべき姿をも含めて考える力を涵養することを目指す。 |
貧困に対する支援 |
本講義では、現代社会において大きな課題となっている貧困に対する支援を学ぶ。具体的には、「公的扶助の概念」「貧困の概念と貧困状態にある人の生活実態と社会環境」「貧困の歴史」「生活保護制度」「低所得者に対する法制度」についての理解に努める。さらに、「貧困に対する支援における関係機関と専門職の役割」「貧困に対する支援の実際」にまで視野を広げて学ぶ。 |
高齢者福祉 |
高齢者福祉の歴史や高齢者観の変遷、制度の発展過程について理解する。さらに高齢者の定義や特性、高齢者とその家族の生活と取り巻く社会環境について学ぶ。法制度として介護保険法、老人福祉法、高齢者の医療の確保に関する法律、高齢者虐待防止法、高齢者住まい法、高齢者雇用安定法などについて知識を修得し、高齢者と家族への支援や関連する専門職の役割、実際の支援のあり方、単身高齢者の増大と生活支援の必要性、終末期や死後対応についても学ぶ。 |
障害者福祉 |
障害者福祉に関する理念並びに法制度についての理解を深め、誰もが暮らしやすい社会のあり方について考察する力を養う。そして社会生活モデルの視点から、総合的に日常生活および社会生活について考える力を身につける。具体的には、障害者を取り巻く社会情勢、生活実態、ニーズ、障害の概念と特性、障害の捉え方、障害者福祉に関する法制度・施策の概要と課題、障害者と家族等の支援のあり方、関係機関や専門職の役割を理解する。さらに大きな問題となっている障害者虐待防止についても、理解を深めることもねらいとする。 |
児童・家庭福祉 |
本科目は児童福祉の理念・方法等について、法制度及び実際の両面から講義するものである。児童福祉や家庭支援のあり方は時代の変遷と共に変容し今日に至っているが、講義を通してこれまでの歩みと現在を学び、これからあるべき姿を考究する素地の学びを図る。前半では児童・家庭福祉の理念・歴史、法制度等を概観することにより児童・家庭福祉の基本的枠組みを理解する。後半では児童・家庭福祉施策の実施主体の役割と機能、関連機関との連携について学び、実践活動がどのように展開されるか理解を深める。 |
権利擁護を支える法制度 |
社会福祉従事者の仕事は、身体的・精神的な衰えがある人々を援助することである。そのため、社会福祉従事者を目指す者たちにとって重要なのは、①援助を必要とする人々のことを理解して相手の立場に立って物事を考えること、そして、②身体的・精神的な衰えがあったとしても人は対等・平等であるという人権意識を持って福祉活動の際に起こりうる人権侵害を予防することである。本授業では、権利擁護を支える法的しくみを学び、続いて成年後見に関わる法制度を確認し、法制度の背後にある人権意識を学ぶ。そしてその後に、後見人または福祉従事者の(残念ながら起こってしまった)不祥事の実例を扱い、その責任や予防方法を学ぶ。 |
刑事司法と福祉 |
社会における犯罪・非行を防止し、行った人の更生支援を実施して再犯・再非行を防止することは社会の重要な課題である。その課題の実現のためには、更生保護制度が有効に展開されることが鍵である。まず、更生保護制度を含め「刑事司法と福祉」についての理解を高めることを目的として、「刑事司法と福祉総論」「社会と犯罪及び原因論と対策」「刑事司法・少年司法」「施設内処遇」「社会内処遇」「犯罪行為者への支援」「犯罪被害者支援」「コミュニティと刑事司法」について学ぶ。 |
保健医療と福祉 |
わが国の保健医療サービスはいつでも安心して医療を受けられる国民皆保険によって支えられてきた。しかし、少子高齢社会の急速な進行とともに、医療法、医療保険制度、診療報酬制度等は様々に変更されている。わが国の保健医療サービスは歴史的な経緯を踏まえてかなり特徴的である。その特徴と、医療現場の現状や医療・保健分野の仕組みとチーム医療を理解し、さらに保健医療サービスを患者・家族の届けてきた医療ソーシャルワーカーの役割・機能について理解する。 |
医学概論 |
人の生涯にわたる成長と発達と老化の変化の特徴、身体構造と心身の機能と題した人体の解剖学・生理学、福祉業務において、関係する疾病や障害について、リハビリテーション、国際生活機能分類、健康の捉え方について学び、理解する。 |
ソーシャルワークの基盤と専門職Ⅰ |
ソーシャルワークとは、社会福祉の目標を実現する実践活動の方法である。社会福祉の専門職である社会福祉士、精神保健福祉士は対人援助職としてその前提に利用者の自己実現に向けた深い理解と洞察、専門職としての倫理が必要とされる。本講義では、社会福祉士・精神保健福祉士の基本について体系的に学び、ソーシャルワークの形成過程を踏まえソーシャルワーク理念と倫理的ジレンマについて理解することを目的とする。 |
社会福祉調査の基礎 |
複雑・多様化する今日の生活課題を読み解き、解決に向けていくための調査手法がソーシャルワークの担い手のスキルとして求められている。本講義では、社会福祉調査の意義と目的、そしてその方法の基礎を学ぶとともに、社会福祉実践の展開に必要とされる社会福祉調査実施の際の基本的な倫理、知識、技術を理解する。また、調査結果を分析、解析、公表する方法についても学ぶ。 |
国際医療福祉論 |
世界の医療福祉に関わる制度と実践は大きく日本の現状とは異なる。ジェームス・ミッジリィの国際社会福祉論やエスピン・アンデルセンの福祉レジーム論による各国の医療福祉制度とその背景を比較し、その相違点を理解する。しかし、制度が異なるというだけで終わっては学ぶ意味がなく、いまの日本に必要な仕組みへの示唆を他国の現状から得る。特に、日本が学んできたイギリスやデンマークのコミュニティケアを中心に、日本の地域包括ケアシステムの新たな仕組みづくりを展望する。 |
公衆衛生学 |
公衆衛生の原義は、「すべての人の生命と生活を守る」ことである。公衆衛生学は、保健・医療・福祉を包括する総合科目であり、この分野の専門職が連携共同するために必要不可欠な共通言語である。本講義は疾病・障害の予防、健康の保持・増進を社会として達成するための基本的な考え方と歴史的経緯、制度を学ぶことを目的としている。公衆衛生を支える基礎科学である疫学、統計学の知識および技術の基礎を理解、習得し、あわせて公衆衛生活動に関わる計画や評価に必須な手法(地域アセスメント、保健計画策定)の基礎についても学ぶ。 |
カウンセリング |
カウンセリングが実際にはどの様なプロセスで実践されているか、前半は具体的な場面を設定しながら知識の整理をする。後半は医療、福祉等の臨床場面での事例素材により、カウンセリングの実際を学ぶ。講義と共に適時、具体的な場面を想定した役割演技(ロールプレイング)、事例検討ではグループデスカッションを取り入れ、対人援助場面での臨床心理学的な専門性とはなにかの理解を深める。 |
医療ソーシャルワーク論 |
疾病構造の変化、医学・医療技術の急激な進歩によりわが国の医療を取り巻く環境も激変してきている。このような状況の下、保健医療分野の専門職として、病院、在宅医療などにおける医療ソーシャルワーカーの役割への期待高まっている。この講義では、医療福祉の歴史を踏まえ、医療ソーシャルワーカーの業務・役割・機能について理解する。 |
ケアマネジメント論 |
わが国では介護保険制度や障がい者制度を契機に、「ケアマネジメント」という用語は定着してきた。人々が地域による見守りや支援を受けながら、望ましい生活の維持のためのさまざまな複合的な課題に対して、生活の目標とそのための課題解決に至る道筋と方向を明らかにし、地域にある資源を活用し、総合的かつ効率的に課題解決を図っていくプロセスと、それを支えるシステムといえる。地域福祉実践を進めるうえで、個別のニーズに対する直接的で包括的なアプローチだけでなく、チームアプローチに必要な保健・医療・福祉の連携のあり方やサービス提供のシステム、福祉サービス運営管理のあり方など、地域包括ケアが目指す福祉コミュニティの構築が求められる。福祉サービス利用者が地域社会の中で自立した生活を営むことができるような支援について、資源開発なども含めて学ぶ。 |
リーダー論 |
対人支援の専門職として、利用者の望む生活を実現するためには、専門職個人の力だけではなく、チームとして力を発揮することが求められる。チームを牽引するリーダーの役割は大きく、人材育成と能力を結集して、チームが掲げる目標を成し遂げることにある。利用者の意向を尊重しつつ、生活ニーズを充足するための支援目標に焦点をあて、チーム全体をコーディネートする。リーダーは人材育成、組織をマネジメントする力が求められる。そのためには、チームメンバーや利用者の声に傾聴し、ニーズを捉える判断力と的確な伝達力、人材育成のためのスーパービジョン、リーダー自身の感情コントロール、さらには自己研鑽を積む必要がある。本科目では、リーダーとしての資質・役割を学習するとともに、チームとしての力を発揮するための基礎を修得する。 |
リハビリテーション論 |
リハビリテーションサービスは、心身に障害を持たれた方に複数の専門職により提供されます。特に複雑な課題をもつケースへの支援の場合、福祉専門職はリハビリテーションチームの中でも欠かせない役割を果たします。本講義の中では、まずリハビリテーションの理念を歴史的背景から学びます。次に健康や障害の概念、また障害の種類や程度に応じた各種のリハビリテーションおよび地域リハビリテーションの役割について理解し、障害を持たれた方に対するチームアプローチの中で福祉専門職に求められる機能と役割について理解します。また、超高齢社会のわが国における地域包括ケアシステムの概要について学び、利用者へのより良いサービス提供について考えていきたいと思います。 |
ICFの理解 |
ICF(国際生活機能分類)についての理解を深め、人を支援する専門職として必須である「人が生きるということ」を総合的に理解し、アセスメントやケースの考察、多職種とのコミュニケーションにおける生活機能の定義や表現など支援への活用を学ぶ。具体的には、ICF成立に至る過程の中で「障害」や「人が生きること」がどのようにとらえられてきたかの考察を入口に、「分類」としてのICFに触れつつ、主にはそこに示される「社会生活モデル」の考え方を中心に理解を深める。各自の目指す専門性に基づいた支援アプローチの中で、ICFそして「社会生活モデル」を基礎とする思考ができ、活用できる能力を身につけることを目的とする。 |
福祉用具と福祉機器 |
福祉用具(機器・介護ロボット含む)は、福祉用具法において、「心身の機能が低下し、日常生活を営むのに支障のある老人または心身障害者の日常生活の便宜を図るための用具及びこれらの者の機能訓練のための用具並びに補装具」を総称するものと定義されているが、介護保険法での福祉用具の給付と貸与制度が加わり、福祉用具の範囲も拡張し、また、ロボット産業政策として介護ロボットの開発も進められている。また、日本における介護ニーズの急増や人手不足、担い手の負担軽減や介護の質の確保・向上のための福祉用具の利活用が進められている。本講義では、福祉用具の定義と種類、知識や技術、利用者のADL等の改善や介護負担軽減などの福祉用具の役割や利活用について学ぶ。 |
地域医療連携とチーム医療 |
超高齢社会となった我が国の地域医療政策における重要な基本概念である「地域包括ケアシステム」を理解し、患者を中心としたその人らしい生活の支援を可能にするチーム医療を担う専門職の役割と機能について理解する。それらの理解をもとに、地域住民の健康福祉に貢献するための他職種連携のしくみづくりや医療と社会福祉の融合による包括的・重層的支援を含めたチームによるサービス供給のマネジメントについて学ぶ。 |
福祉サービスの組織と経営 |
ソーシャルワークにおいて必要となる、福祉サービスを提供する組織や団体の概要について理解し、経営の視点と方法を理解することをねらいとする。主に、1)福祉サービスの成り立ちから、福祉領域における組織や経営の概念と法制度や、組織と経営の基礎理論について学ぶ。2)福祉サービスの管理運営の具体的な方法、財政運営の現状、組織形態の関係性における現状など、現場での実践事例等も含めて、人事管理、労務管理、会計・財務管理、情報管理などについて理解する。 |
介護施設経営 |
福祉と経営はこれまで、あまり結び付けて考えられることはなかった。それは「福祉は人のため、経営はお金のため」という印象が強かったからかもしれない。しかし近年は、福祉現場でも経営の知識・技術が求められ、高齢者や障がい者、子育て家庭などを対象とした新しいスタイルの福祉ビジネスも次々と登場している。この背景には、福祉だけあるいは経営だけではもはや解決できない課題があることを人々が認識するようになったことが挙げられる。このようなことから、福祉現場における経営のノウハウを学び、複雑・多様な問題の解決に取り組むことができる技能を身につける。 |
専門教育科目
ソーシャルワークの基盤と専門職Ⅱ |
ソーシャルワークとは、社会福祉の目標を実現する実践活動の方法である。社会福祉の専門職である社会福祉士は、対人援助職としてその前提に利用者の自己実現に向けた深い理解と洞察、専門職としての倫理が必要とされる。本講義では、ソーシャルワークに係る専門職の概念と範囲を学び、ミクロ・メゾ・マクロレベルにおけるソーシャルワークと総合的かつ包括的な支援と多職種連携について理解することを目的とする。 |
ソーシャルワークの理論と方法Ⅰ |
ソーシャルワークとは何かの基本的な理解を踏まえて、ソーシャルワーカーとしての支援に必要とされる価値や倫理、支援の展開方法の基礎を学ぶ。具体的には、ソーシャルワークの定義や特徴、価値や倫理、ソーシャルワーク理論の発展を概観した上で、ミクロ・メゾを中心として具体的な支援方法を提示し、ジェネラリストアプローチとソーシャルワークの役割について考える。 |
ソーシャルワークの理論と方法Ⅱ |
ソーシャルワークにおける人と環境の交互作用に関する理論や、ソーシャルワークの対象、さまざまな実践モデル、ソーシャルワークの過程とそれに係る知識や技術、ソーシャルワークの実際などについて学ぶ。ソーシャルワークとはどのようなものか、その展開についても学ぶ。また、ソーシャルワークの新しい概念や今日的課題も取り扱う。 |
ソーシャルワークの理論と方法Ⅲ |
多様化・複雑化する課題に対応するため、代表的なソーシャルワーク理論モデル(アプローチ・モデル)について学ぶとともに、事例を通してその理論モデルを用いた実践の展開を学び、ソーシャルワークの実践に必要な基礎知識と実践力を身につける。特に、社会生活モデルやナラティブ・アプローチを意識し、事例を通じて学ぶ。 |
ソーシャルワークの理論と方法Ⅳ |
ソーシャルワークの価値、知識、技術の基礎をおさえ、新しいアプローチ・モデルを用いた実践の展開を通して理解し、ソーシャルワークの実践力を身につける。そして、3年次に実施するソーシャルワーク実習Ⅰに活かしていく。特に、総合的かつ包括的な支援としてのジェネラリスト・ソーシャルワークを学ぶ。 |
ソーシャルワークの理論と方法Ⅴ |
精神障害及び精神保健福祉の課題を持つ人に対するソーシャルワークの過程を学ぶとともに、当事者の家族やその関係性にも着目し、家族も対象たることを視野に入れた支援のありようについて学修する。さらには、多職種連携・多機関連携の方法について学び、精神保健福祉士の役割についても学修する。一連の学修過程では、ソーシャルワークが、個別支援からソーシャルアクションへの実践展開をミクロ・メゾ・マクロの連続性・重層性があることを踏まえていく。 |
ソーシャルワークの理論と方法Ⅵ |
精神障害及び精神保健福祉の課題を持つ人と家族の関係を理解し、家族への支援方法を学修するとともに、精神医療、精神障害者福祉における多職種連携・多機関連携の方法や精神保健福祉士の役割について学ぶ。また、組織運営管理、組織介入・組織活動の展開に関する概念と方法や個別支援からソーシャルアクションへの実践展開をミクロ・メゾ・マクロの連続性・重層性を踏まえて理解することをめざす。 |
精神医学と精神医療 |
今日の精神保健医療福祉における多職種連携の重要性と精神保健福祉士が連携の際に担うべき役割について理解する。特に、①精神科治療における人権擁護、②精神科病院におけるチーム医療と精神保健福祉士の役割、③精神医療と福祉および関連機関とのあいだにおける連携の重要性を中心に学ぶ。 |
現代の精神保健の課題と支援 |
現代の日本人を取り巻く環境は、これまでに例をみないほどの変化を見せており、心身の健康をいかに維持し、増進していくかという大きな課題を背負っている。本科目では、精神の健康についての基本的な考え方について理解するとともに、現代社会における精神保健の諸課題と精神保健の実際及び精神保健福祉士の役割について理解することをめざす。また、近年では、精神保健に関わる諸課題やその支援のあり様は多様化しており、現代社会における精神保健の諸課題の実際を生活環境ごとに理解することや、精神保健の保持・増進と発生予防のための支援及び専門機関や関係職種の役割と連携について理解することも併せてめざすことが求められる。さらに、世界的な精神保健活動や他の国々における精神保健の現状と対策についても考察する。 |
精神保健福祉の原理 |
「障害者」に対する思想や障害者の社会的立場の変遷や障害者福祉の基本的枠組み、精神保健福祉士が対象とする「精神障害者」の定義やその障害特性を構造的に理解するとともに、精神障害者の生活実態について理解し、幅広い視野から精神保健福祉の原理について学修する。 歴史的に精神保健ソーシャルワーカーが構築してきた固有の価値を学び、精神保健福祉士の存在意義を理解して職業的アイデンティティを理解するとともに、精神保健福祉士の基本的枠組みと倫理綱領に基づく職責について理解することをめざす。さらに、近年の精神保健福祉の動向を踏まえ、精神保健福祉士の職域と業務特性について理解し、幅広い視野から精神保健福祉の原理について学修する。 |
精神保健福祉制度論 |
精神障害者に関する法制度について学び、精神保健福祉法、医療観察法等の医療に関する制度の概要と課題、制度に規定されている精神保健福祉士の役割について理解することをめざす。さらに、生活支援に関する制度の概要と課題、制度に規定されている精神保健福祉士の役割について理解し、幅広い視野で援助場面で活用できるよう学修を進める。 |
精神障害リハビリテーション論 |
精神障害リハビリテーションの概念とプロセスや精神保健福祉士の役割について学び、活用できることをめざす。さらに精神障害リハビリテーションプログラムの知識を得て、援助場面で活用できるよう学修を進める。 |
医療的ケア |
障害や慢性疾患を抱え生活する人の介護ニーズ・医療ニーズが複雑化・多様化・高度化してきている中で、そのニーズに対応していくためには、医療職だけではなく、他専門職にも医学的知識が求められている。社会福祉及び介護福祉士法の改正により、介護職員にも一定の条件下で医療的ケア(喀痰吸引や経管栄養等)が実施できるようになったことから、安全・安楽を意識した医療的ケア行為の実際に触れながらケアの必要性を理解する。また、介護職が行える医療的行為の範囲は限定されており、その範囲を遵守しながら医療職や他専門職との連携(報告・連絡・相談)の図り方、医療行為に必要な観察のポイントを習得することを目指す。 |
終末期ケアとソーシャルワーク |
社会福祉が、人が生まれてから死んでいくまでの人生における様々な生活課題の解決を目指す取り組みであるとすれば、人生の最終段階としての終末期医療が、ソーシャルワークニーズの非常に高い実践場であることは自明である。本講では、この人生の最終段階である終末期に焦点をあて、終末期医療におけるソーシャルワークについて講じる。緩和医療におけるソーシャルワークを柱に、人生の最終段階:終末期についての考察を深めていくことから、終末期医療の歴史と日本における展開、人生の最終段階の終末期にある対象者への理解、心理社会的ニーズについての実際、倫理的課題、医療チームと共に行う意思決定支援、死別ということ、遺族支援・グリーフワーク等、終末期医療におけるソーシャルワークについての実際を学び、その実践を志向することを意図する。 |
認知症ケア論 |
社会の中には多くの認知症を抱える人が存在している。認知症という病気の症状がその人であるかのような誤解の中で誤った対応が本人の混乱を招くことがある。人生の歩みの中で築かれたその人の暮らしを守り、認知症高齢者の生活を支援するために、認知症の病態を理解した上でその人らしさを追求できる対応について、事例を通して「疾病性」と「事例性(状況性)」を学修する。また、認知症の方が抱える生活の困難さを家族・地域とともに支える支援、研究として追求していける支援を目指す。 |
経営管理論 |
医療施設経営の認識の基盤となる企業経営そのものに対する関心を高め、所属する組織とかかわる上で必要不可欠な知識を身につけ、経営管理の概念を理解する。基本的なマネジメント理論、組織論、財務管理、目標管理、サービス・マネジメント等を概説し、それらを統合した企業のマネジメントについて学ぶ。科目の後半ではケースメソッドを取り入れ、企業経営活動を分析し、経営管理上の課題を探求し、理論と対比させながら経営管理の理解を促すディスカッションを中心とした授業を行う。 |
持続可能社会と地域医療福祉経営 |
持続可能な社会は、営利企業部門、公共サービス部門及びNPOなどの非営利組織で様々な活動を担う市民セクター部門で成り立つこと、これらの部門が地域社会で連携し問題解決に貢献することを理解する。前半は、持続可能な社会は、高齢化が進む地域社会の医療や介護などの公益志向を重視し、様々な部門で活動する人々と連帯して生活する共生志向を有することの大切さを説明する。後半は、ケーススタディを多用し、問題解決型学習(PBL)を実施し、ケースでの課題の抽出と解決策を議論させることで、主体性を育成させる。 |
ソーシャル・ビジネス |
ソーシャル・ビジネス(以下SB)とは、社会的課題を解決するために取り組まれている事業と定義され、めまぐるしい時代の変化と社会からのニーズと共に常に変化し続けている。医療や福祉業界をはじめ環境問題や貧困による格差問題、子育て支援や障がい者雇用など活動分野は多岐にわたる。この授業では幅広いSBの活動を網羅し、SBの基礎的な知識を学び、自ら社会課題の発見から問題解決までを一貫して提案できるようになることを目的とする。 |
ソーシャルワーク演習Ⅰ |
ソーシャルワーク展開に必要な価値・知識・技術等の総合的な実践力を身につける重要な科目である。演習Ⅰは、ソーシャルワーク演習導入の段階として位置づけられ、ソーシャルワーカーに必要な基本的な技能を身につけることをねらいとして展開する。この授業では、自己理解・他者理解を中核に置きつつ、基本的な面接技法や記録法、ソーシャルワークの展開過程等をロールプレイ、グループワーク等を通して身につける。 |
ソーシャルワーク演習Ⅱ |
ソーシャルワーク演習Ⅱの授業内容は、以下の点がポイントとなる。1.ソーシャルワークの展開過程において、事例等を通してより実践的に理解する。現代の福祉課題である、虐待(児童・障がい・高齢)・貧困・認知症等の事例検討を通して、問題の把握及び総合的・包括的なソーシャルワーク技術や個人の尊厳を基盤とした倫理的判断基準を学ぶ。2.ソーシャルワーク演習Ⅰで学修した面接技術を発展させ、総合的な面接技術を身につけることを目指し展開する。3.ソーシャルワークの専門的援助技術を幅広く体系的に理解し、ソーシャルワーク実習に臨む際に必要となるコンピテンスを身につけるための実践的な内容で構成されている。4.地域アセスメントの能力を身につけるため、実際に対象地域に出向くフィールドワークを行い、体験的・実践的な学修を行う。5.事例検討では、ケースの発見、インテーク、アセスメント、プランニング、支援の実施、モニタリング、支援の終結と事後評価、アフターケアといったソーシャルワークの過程を想定した実技指導を行う。6.事例検討では、アウトリーチ、ネットワーキング、コーディネーション、ネゴシエーション、ファシリテーション、プレゼンテーション、ソーシャルアクションといった内容を盛り込んで行う。 |
ソーシャルワーク演習Ⅲ |
ソーシャルワーク演習Ⅲでは、現代日本における重要な福祉課題となってきているひきこもり、看取り・終末期ケア、ヤングケアラー、司法、災害等をキーワードとした複合的な課題を抱える人びとへの実践事例の検討を通して、領域に固有な問題の把握及び総合的・包括的なソーシャルワーク援助技術、さらに個人の尊厳を基盤においた倫理的判断基準について学ぶ。また、ソーシャルワーク演習Ⅱに続き地域共生社会の実現に向けた個人の人権を尊重した地域支援について社会生活モデルを意識した具体的なアプローチ方法や地域づくりについて理解を深める。その際には、ソーシャルワーク実習Ⅰ、ソーシャルワーク実習指導Ⅱの科目との連携を志向しながら進めていく。また、事例検討においては、ケースの発見、インテーク、アセスメント、プランニング、支援の実施、モニタリング、終結と事後評価、アフターケアといったソーシャルワークの展開過程を想定した実践的学修を進めていく。また、アウトリーチやネットワーキング等のソーシャルワーク実践に必要となるスキルにふれ学修を行う。 |
ソーシャルワーク演習Ⅳ |
ソーシャルワーク実習Ⅰにおける学生の個別的な体験を視野に入れつつ、集団指導並びに個別指導による実技指導等により、ソーシャルワーク係る知識と技術について個別的な体験を一般化し、実践的な知識と技術として修得できる学習機会を提供する。多様な実習先で実践されたソーシャルワーク実習Ⅰの事例報告を行い、技術や知識、価値観等を共有し、ジェネラリスト・ソーシャルワーカーに求められる多様な知識と技能を実践的に修得する。 |
ソーシャルワーク演習Ⅴ |
本科目はソーシャルワーク実習Ⅱを行う前に学修を進める。ソーシャルワーク演習Ⅴ~Ⅵにおいて一体的に、①領域、②課題、③法制度・サービス、④援助技術について、精神保健福祉援助の事例(集団に対する事例を含む)を活用し、精神保健福祉士としての実際の思考と援助の過程における行為を想定し、精神保健福祉の課題を捉え、その解決に向けた総合的かつ包括的な援助について実践的に習得することを意図し演習を展開する。演習Ⅴにおいては、①領域(福祉サービスを必要とする人に対応する各相談機関、対応機関)と②課題(社会的排除、孤立等のマクロ的視点、依存症等のミクロ的視点)について学修する。取り上げるすべての事例において、精神保健福祉士に共通する原理として「社会的復権と権利擁護」「自己決定」「当事者主体」「社会正義」「ごく当たり前の生活」を実践的に考察する。 |
ソーシャルワーク演習Ⅵ |
本科目はソーシャルワーク実習Ⅱを行う前に学修を進める。ソーシャルワーク演習Ⅴ~Ⅵにおいて一体的に、①領域、②課題、③法制度・サービス、④援助技術について、精神保健福祉援助の事例(集団に対する事例を含む)を活用し、精神保健福祉士としての実際の思考と援助の過程における行為を想定し、精神保健福祉の課題を捉え、その解決に向けた総合的かつ包括的な援助について実践的に習得することを意図し演習を展開する。演習Ⅵにおいては、③法制度・サービス(精神に関する法制度)と④援助技術(ソーシャルワークの展開過程を踏まえた各種療法等)について学修する。また、演習Ⅶにつなげていくために事例検討の方法についても学修する。取り上げるすべての事例において、精神保健福祉士に共通する原理として「社会的復権と権利擁護」「自己決定」「当事者主体」「社会正義」「ごく当たり前の生活」を実践的に考察する。 |
ソーシャルワーク演習Ⅶ |
本科目はソーシャルワーク演習Ⅴ・Ⅵの積み上げの位置づけとしている。本科目では、様々な領域の事例検討を中核に、ソーシャルワーク実習Ⅱへ向け、精神保健福祉士としての実際の思考と援助の過程における行為を想定し、精神保健福祉の課題を捉え、その解決に向けた総合的かつ包括的な援助について実践的に修得することを意図し演習を展開する。取り上げるすべての事例において、精神保健福祉士に共通する原理として「社会的復権と権利擁護」「自己決定」「当事者主体」「社会正義」「ごく当たり前の生活」を実践的に考察する。殊に、本科目では、医療機関、障害福祉サービス事業所、行政、社会福祉協議会における精神保健ソーシャルワーク実践について検討する。 |
ソーシャルワーク実習指導Ⅰ |
ソーシャルワークや社会福祉士についての理解を深めるとともに、ソーシャルワーク実習の意義や内容について確認し実習準備を行っていく。具体的には、学生自身の動機・目的の確認、実習内容の理解、実習先の選択、実習に必須な知識の獲得・再整理を進める。体験学習も含め、その過程で学生自身が自身のソーシャルワークへの適性を考察し、社会福祉士に必要な態度や価値観への理解を深める。 |
ソーシャルワーク実習指導Ⅱ |
実習前においては、実習生として必要なソーシャルワークの価値や必要知識・技術を確認する。さらに、実習計画を学生、教員、実習先が協議しながら作成し、学生の実習目的・目標・課題を明確化する。実習中は、実践を媒介に教員と実習指導者が協力しながら、ソーシャルワークについて学生の理解を促進させ、実習目標の達成を目指す(巡回指導、随時個別指導など)。実習後は、学生の実習体験を整理することにより、相談援助の知識と技術についての理解の深化につなげる。更にその過程において、学生が実習体験を考察し、ソーシャルワーカーとしての自身の課題に気づいていく。 |
ソーシャルワーク実習指導Ⅲ |
ソーシャルワーク実習Ⅱへ向け、実習に関わる個別指導及び集団指導を通して、精神保健福祉援助に係る知識と技術について具体的かつ実際的に理解し 実践的な技術等を体得することをめざす。さらに、精神保健福祉士として求められる資質、技能、倫理、自己に求められる課題把握等、総合的に対応できる能力を習得することをめざす。殊に、精神保健医療福祉の現状やソーシャルワーク支援の実際、実習施設の概要について、支援者や当事者の講話、施設見学なども含めながらより実践的に理解することをめざす。 |
ソーシャルワーク実習指導Ⅳ |
本科目はソーシャルワーク実習に関わる事前学修と事後学修から構成される。事前学修では、ソーシャルワーク実習指導Ⅲでの学びを活かし、精神保健福祉士として求められる資質、技能、倫理、自己に求められる課題把握等、総合的に対応できる能力を習得することをめざす。事後学修では、実習報告書のケースレポートの作成、実習報告会を通じて、具体的な実習体験を、専門的知識及び技術として概念化・理論化し体系立てていくことができる能力を涵養することをめざす。 |
ソーシャルワーク実習Ⅰ |
ソーシャルワーク実習は、240時間以上にわたり指定された実習形態により、実習契約を締結した施設・機関の実践領域に配属されソーシャルワーカーである社会福祉士のスーパービジョンにより必要な価値・知識・技能等の実践力を身に付けることを目指し進行する。スーパービジョンの特徴は実習契約に則り実習プログラムを媒介としつつ、実習指導者及び実習担当教員(実習巡回等)による2重のスーパービジョン構造により展開される。実習においては、実際に生活されている利用者及び家族・関連職種・地域住民等と直接触れ合う機会が多い。事前に職業人として必要な社会スキルを身に付け適切に実践することが必要である。特に、ケース研究においては、対象者のプライバシー情報に直接触れることになる。常に、尊厳と人権意識の保持及び高いモチベーションを維持し実習に臨むことが求められる。実習に関わる全ての人々に対して謙虚さと感謝の気持ちを持つことが重要である。 |
ソーシャルワーク実習Ⅱ |
210時間以上の配属実習を通じて、精神保健福祉援助並びに障害者等の相談援助に関わる専門的知識と技術について具体的かつ実際的に理解し、実践的な技術等を体得することをめざす。また、精神障害者が置かれている現状を理解し、その生活実態や生活上の課題について把握する。さらには、精神保健福祉士として求められる資質、技能、倫理、自己に求められる課題把握等、総合的に対応できる能力を修得することをめざしていく。 |
基礎演習 |
大学教育の基礎的な学び方を知る。文献や資料の調べ方、レポートの作成方法、プレゼンテーション等の基礎的な学修手法を、少人数の演習形式で学んでいく。特に、2年次から増していく専門的な学修に備えるために、学びの手法を獲得していく。 |
専門演習Ⅰ |
各学生のこれまでの学びを統合し、専門演習Ⅱに向けて自身の関心のある研究課題・テーマを明確化していくための主体的な取り組みを支援する科目手である。 |
専門演習Ⅱ |
専門演習Ⅱでは、専門演習Ⅰから継続し、各々の目指す進路に向けてこれまでの学びを統合し、取り組む研究の研究、調査のプロセスを支援する。週1回、少人数によるゼミナール授業を行う。専門演習Ⅰでおこなった研究内容について精査し、自身の関心のあるテーマをより明確化し、研究の位置づけを明らかにし研究主題を明確にする。客観的な手法で主題を解析するためにデータ収集し統計手法を活用したり、事例の特徴を明確にするため地域貢献センターを活用しながらフィールド調査などを実施する。 |
卒業研究 |
この科目では、各自の研究テーマに基づき、卒業論文を作成する。4年間の学修成果を形式知に昇華させることを目的とする。そのために、専門演習Ⅰで培ってきた基礎的研究成果を元に、研究計画作成、データ取得、議論、などを行い、研究内容を論文としてまとめ上げる。前期末に研究内容の途中経過、学年末に作成した論文の発表を行う。 |